どこのこども園や幼稚園にも1人や2人は必ずいる、電車大好きな子ども!
これは世界共通のようです。電車や乗り物や子どもも、そして大人も魅了します!
今日紹介したい本はこちら!
『Freight Train』 作:ドナルド・クリューズ
『はしれ!かもつたちのぎょうれつ』 絵:ドナルド・クリューズ
作:田村 隆一
貨物列車が力強く走り抜けていきます。
この本は1979年アメリカのコールデコット賞に選ばれた本です。シンプルでいて、はっきりとした絵とぼやけた絵のコントラスト、簡潔な文。この洗練されたオシャレさを感じるのは作者はNYに住んでいるからでしょうか。この本はきっと10年後も20年後も、洗練された雰囲気を持ち続ける本だと思います。
文はとても簡潔でシンプルで短いので、ぜひ英語版でどうぞ。
まるで虹色に並んだかのような貨物列車を一つずつ紹介してくれます。
赤い車掌さんが乗る貨物、お隣はオレンジのタンク・・・・。はっきりとした絵で貨物の色と文のテキストの色を同じにしています。
この貨物列車が走り出すと・・・。列車だけが疾走感溢れる描画に変わります。
トンネルを走り、街中を走り、鉄橋の上も走り抜けます。
夜の暗闇も、昼間の明るい中も、どんどんどんどん走り抜けます。
”Going, going…”と進み、
最後のページは”gone.” という文と蒸気機関車の蒸気だけが残るページで終わります。
かっこいいっ✨
余韻の残し方がかっこいい!
シンプルだからこそ、この貨物列車が動き出した時の疾走感が際立つのだと思います。
絵本で文や絵がシンプルだと読み聞かせをする時にあれやこれや付け加えたくなります。しかし、ここはシンプルなこの本のスタイルに則って、このまま読み聞かせしてみてください。
余白がたくさんあることで子どもの想像力が膨らみます。
シンプルであることでたくさんの余韻が生まれます。
そんなことに気付かせてくれる本でもあります。
ついつい、子どもたちには足し算の思考になって、あれもこれもと沢山の情報を与えて教える気になってしまいます。ですが、こういう引き算ってすごく大切だなって思います。子どもたち自身が、自分で考えたり、想像したり、作ってみたり、そういう余白を残すことはとても大事ですね。
コメント