QUACK! QUACK! QUACK!

絵本

最近春めいてきたなぁ〜とウキウキしていたら、なんと今日仙台は雪が降りました❄️

まだまだ冬のコートもしまえないですね。

春になると動物の赤ちゃんが生まれます。今日紹介したい本はこちら!

MAKE WAY FOR DUCKLINGS』作・絵:ロバート・マックロスキー

かもさんおとおり』          訳:渡辺 茂男

カモのマラード夫妻はボストンの町で赤ちゃんを産む場所を探します。川の中洲にぴったりな場所を見つけ、子育てに励みます。そのうち公園の場所に引っ越しすることになり・・・

この本の初版は1941年の超ロングセラー。やっぱり良書は時間が経っても色褪せないんですね。絵本の中に出てくる人々の服装や車、電話には時代を感じます。洋書には3歳から8歳向けと書いてありますが、ページ数も多いので、英語で読む場合は小学生でも十分楽しめます。

どこの家庭も主導権はお母さんが握っているのは、動物界でも同じかもしれません。冒頭から、このカモ🦆のマラード夫妻は上空からの家探しに翻弄しているのですが、お父さんが良さそうなところも見つけても、お母さんはなかなか首を縦に振りません。

やっと川の中洲に安全で良さそうな場所を見つけ、子どもを産みます。8羽の赤ちゃんはJackKackLackMackNackOuackPackQuackと名付けられます。韻踏んでますし、アルファベット順ですね!ちなみに鴨やアヒルの鳴き声は英語でquack quackクァッククァックです。

この大家族が川の中洲から公園への引っ越しをします。お母さんが大渋滞の道路の脇で車に向かって「止まりなさい!」と言わんばかりに「Quack!Quack!」と鳴きます。それに続いて小さな子どもたちも「Quack!」と叫びます。

騒ぎを聞きつけた警察官のマイケル👮🏼‍♂️さんが、笛を吹いてカモの大家族のために交通整理をしてくれます。マイケルさんは慌てて応援を頼みに翻弄する様子とは対照的に、カモのお母さんは気品高く、誇らしげに街の中を闊歩します。

大きな通りへ出ると、そこはマイケルさんが応援に呼んだ警察官たちが車を停めて交通整理をしてくれていました。大通りを渡り終えるとそこは目的地の公園。カモの家族は警察官たちにお礼を言って、公園で待っていたお父さんに無事再会しました。

カモの大家族の引っ越しの様子なのですが、その様子がなんともほっこりして可愛らしいのと母強し!なお母さんの態度がなんとも人間らしいのであったかくなるお話です。

絵は当時主流だった白と黒のモノクロ絵本ではなく、木炭画と言われる茶色がかった絵です。これがカモの羽毛の感じボストンの町の全体の温かさを表現している気がします。絵の構図は、空から見たボストンの町の建物や地形が描かれていて、まるで鳥になったような気分です。

私が一年前まで勤めていたこども園のすぐ脇には川が流れていました。そこの川にはカモ🦆が住んでいて、毎年この時期になるとカモの大家族を見かけました。お母さんカモの後を綺麗な一列で子どもたちがスイスイ泳ぎます。

ある朝、段差のある中洲まで一羽の赤ちゃんが上がれずに苦戦していました。お母さんカモはその場に戻り、心配そうに赤ちゃんを見ています。でも、何もすることは出来ません。他の赤ちゃんも中洲から心配そうに見つめています。何度も何度もジャンプして中洲に上がろうとする赤ちゃんカモ。私も通勤時間が迫っているのになかなかその場を離れられませんでした。「頑張れ!頑張れ!」思わずこちらも体に力が入ってしまいます。やっと中洲に飛び乗ることが出来ると、お母さんカモはまた先頭に戻り、赤ちゃんカモ達を誘導していきました。

結局子どもは自分自身で壁を乗り越えないとダメなんですね。親が安易に手を貸してしまうのではなく、あなたは出来るよ!と信じて傍で見守ることが大切なんだなあとカモから子育ての本質を学んだ朝でした。

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