はらぺこあおむしはスペシャルな虫!

絵本

世界中の子ども達に愛されているエリック・カール絵本はらぺこあおむし』🐛📚

おそらく、お子さんがいる家庭には絵本があり、通っているこども園や幼稚園には大型絵本として置かれていることでしょう。先生たちははらぺこあおむし保育グッズ(ペープサートやパネルシアターなどの手作りグッズです)を一つや二つ持っているはずです。

そしてその人気はとどまる事を知らず、はらぺこあおむしのぬいぐるみ付きだったり、立体仕掛け絵本になっていたり様々なタイプでも売られています。日本では『はらぺこあおむし』の歌はとても人気があり、こども園の子ども達も一緒に歌えるくらい覚えています。

そんな不動の人気を誇っている『はらぺこあおむし』は、実は科学的に間違っているというのは知っていますか?😳😳😳

私は『はらぺこあおむし』が大好きで、カナダ🇨🇦で保育園に実習している時に作った保育グッズは『はらぺこあおむし』のフェルトストーリーでした。私が朝の会を担当する時は『はらぺこあおむし』が鉄板ストーリーでした。自然と暗記できるまで何度も何度も子ども達に読んできたお話です。

ある時、同僚の先生に「You know, 『The Very Hungry Caterpillar』 is scientifically wrong.」(『はらぺこあおむし』って科学的に間違ってるんだよ。)って言われて「W, What??」とびっくりして聞き返したほどです。

いやいや、あおむしはカップケーキ🧁とかアイスクリーム🍨とか食べないでしょ!なんて夢のない話をしているのではありません。

皆さんは繭(まゆ)蛹(さなぎ)の違いって説明出来ますか?繭はcocoon、蛹はchrysalisと言います。

その同僚の先生からは「蝶になるのはchrysalis、蛾になるのはcocoon。だからはらぺこあおむしは本当はchrysalisにならないと科学的にはおかしいんだよ」と言われました。「ク、クライサリス?なんだそれ?初めて聞く言葉だ!」と思いました。

英語の本文にはcocoonという言葉が使われています。chrysalisという言葉はどこにも使われていません。そして日本語に翻訳された『はらぺこあおむし』はさなぎと訳されています。だから、日本人でこの科学的間違いに気付く人はほとんどいないんですね。

そしてその時に、同僚は面白いことを教えてくれました。は木の枝などからぶら下がるタイプは地面に作るタイプだそうです。生き物って面白い!小学校の理科の授業で習ったのかもしれませんが、私はそんな認識など全くなく今まで生きてきました。

その時、ちょうど私のクラスでもテーマ学習は「Bugs 昆虫」でした。なので、農家さんから青虫数匹をもらい、育ててみることにしました

青虫は沢山の種類があり、蝶になるものと蛾になる青虫の判別がとても難しく、図鑑で調べても全く検討がつきませんでした。毎日よく食べ🌱、よくうんちをする青虫たち。本当にいつもはらぺこな青虫たちでした。毎日虫かごをきれいにして、美味しそうな葉っぱを沢山あげて世話をしました。

すると、青虫たちは同じくらいの時期に次のステージに移りました。なんとそこには虫かごの蓋にぶら下がるようにを作ったもの葉っぱの陰の地面にを作ったもの!これがchrysaliscocoonの違いかー!と実物を見て衝撃だったのを思い出します。

そのような体験を子どもたちにさせてあげられたのは大きかったと思います。図鑑や絵本で見るのと実物を見てその違いを知るのは大きな違いがあります。

その後、羽化した青虫たちは、となりとなりました。やはり、は子どもたちにも人気がなく、あっさりとお別れをして青空へと羽ばたいていきました。

一方、は黄色の可愛らしい姿に変身し、子どもたちも大喜び!クラス会議の末、子どもたちに名前を付けてもらい、大切に見守られながら青空へと羽ばたいていきました🦋

もちろんエリック・カールはこの科学的事実を知らなかったわけではありません。公式サイトには下記のように質問に答えています。

  • 全てのになるわけではない。パーナッシアンという種類の蝶は繭を作るそう。ちなみに日本の北部にも生息している。
  • 僕のあおむしは変わり者なんだ。普通のあおむしはペロペロキャンディー🍭やアイスクリーム🍨を食べたりしないでしょう?僕は小さい頃、父から「エリック、自分のから出ておいで!」と言われていたんだ。「エリック、自分のから出ておいで!」ではしっくりこないんだ。

お父さんとの思い出もこの本に残したかったんですね。ここでは語られていませんが、もしとして描かれていたらここまで人気が出なかったかもしれません。というのはchrysalisってすっごい発音しにくいんです🗣️ cocoonの方が小さい子どもには言いやすくあおむしの回りをふかふかのお布団で包み込んでいるような優しい雰囲気も感じ取れます。まさにエリック・カールの世界観にはcocoonの方がピッタリな気がします。

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