コートの結末は

絵本

寒いですね❄️ 仙台では数日前に降った雪がなかなか溶けません。寒い日はなんだか元気が出ませんが、お気に入りのコートで出かけると気分が上がります。

今日紹介したい絵本はこれです!

Joseph Had a Little Overcoat』作・絵:シムズ・タバック

ヨセフのだいじなコート』訳:木坂 涼

ヨセフはコートを持っていました。そのうちボロボロになってしまったので、ジャケットにして、マフラーにして。リメイクを繰り返したその結末は…。


穴あき仕掛け絵本になっています。その穴あきの形が変わるのも面白いです。この絵本は細部までこだわりが詰まったおしゃれな本です。冬の一見地味なオーバーコートの柄ですが、家具や家の中、登場人物の衣類の色使いがおしゃれでコラージュが素敵なんです。

ユダヤ系の民謡が基になっている話なので、絵本の中で出てくる登場人物は、髭をたくわえて特徴的な帽子をかぶっている人たちです。衣類の雰囲気も私たちが想像するザ・アメリカ人のような西洋人とは異なる雰囲気を醸し出しています。

この話、着古したオーバコートをジャケットに仕立て直して、着古したらまた別のものに仕立て直して、とだんだん物が小さくなってきます。物を大事にするユダヤ文化の教えが、貧相感なく、お説教臭くなく、軽やかに、おしゃれにそしてユーモアたっぷりに描かれています

でも、このもったいない精神、日本にもありましたよね!江戸時代はリユース、リサイクルが当たり前の循環型社会でした。てやんでぃ!日本も負けてねーぜ!とちょんまげ気分でこの本を読んでいましたが、最後のところで、あっしの完敗でやんす・・・ごめんなすって〜と唸りました。

最後、とうとう何も無くなってしまったヨセフは、オーバーコートのことを本に書こうとします。「You can always make something out of nothing.」という言葉が最後です。この日本語訳は私のイメージとは少し違います。直訳ですが、何もないところから何かを作り出すことができる、かな?

世界には、ユダヤ系の成功者が沢山います。名だたる企業の創業者もユダヤ系が多いと言われています。最後のこういうところだよな〜と。何も無くなっても最後まで無駄なく使い切りました!ちゃんちゃん!ではないところが感服です。

この絵本は文章が少ないです。また同じフレーズを繰り返すので、とても読みやすいのでぜひ英語版で読んでみてください♪

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