子どもたちと空を見上げて、「あの雲、うさぎに見えるね!」なんて会話をしたことはありませんか?
エリック・カールの絵本『Little Cloud(ちいさなくも)』は、そんな日常のひとこまを切り取ったような、想像力ふくらむ作品です。
この記事では、絵本のストーリーや英語学習への活用方法、そして自然や気象への興味を引き出すヒントをご紹介します。
『Little Cloud』作:Eric Carle 出版社:Penguin Random House
🔤英語難易度:★★☆
📕絵本の長さ:32ページ
💡こんな人にオススメ:エリックカールの世界観が好きな方、自然が好きな方
雲たちが空をゆっくりと流れています。
ちいさなくも☁️があとをついていきます。
雲たちは上の方へ流れていってしまったけど、
ちいさなくも☁️は下の方へ行き、家や木にタッチしています。
それから、それから…?
絵本のあらすじ
雲たちが空をゆっくりと流れています。
ちいさなくも☁️があとをついていきます。
雲たちは上の方へ流れていってしまったけど、
ちいさなくも☁️は下の方へ行き、家や木にタッチしています。
やがて雲たちは見えなくなって、
ちいさなくも☁️は大きな大きな雲に形を変えて…
それから、それから…?
心も育つ、想像力と学びがつまった絵本『Little Cloud』の魅力4つ!
エリック・カールの心温まるコラージュアート
この絵本の作者は、『はらぺこあおむし』でおなじみのエリック・カール!
彼のダイナミックでカラフルなコラージュ画は、ページいっぱいに広がり、
読む人をやさしく包み込むような、ほっこりとした世界へと誘ってくれます。
主人公の「Little Cloud☁️(ちいさなくも)」には、目や口がはっきり描かれていないのに、
なんとなく笑っているように見えたり、困っているように見えたりと、
ふしぎと表情を感じさせる魅力があります。
この絵本を読んだとき、エリック・カールのファンの子どもが
「あっ!『パパ、お月さまとって!』みたい!」と嬉しそうに言っていました。
表紙を見ただけで彼の作品だとわかる、その独特のスタイルも魅力のひとつですね。
想像力をくすぐる、ちいさなくもの冒険
『Little Cloud』では、ちいさなくも☁️がさまざまな形に変身していきます。
ふわふわの羊🐑や、かっこいい飛行機✈️など、雲の自由な形に子どもたちの想像力もふくらみます。
子どもの頃、不思議な形の雲を見つけて「アイスクリームみたい!」「動物に見える!」とワクワクした気持ちを、思い出させてくれる一冊です。
なかでも印象的なのは、雲が「木」の形に変わる場面。
絵本にはこんな一節があります。
Little Cloud changed into two trees.
Little Cloud liked the way trees never moved and stayed in one place.ちいさなくもはふたつの木に形を変えました。
木はうごかず、いつもおなじところにいるのが、ちいさなくもはすきでした。
空を自由に動き回れるちいさなくも☁️が、じっと動かない木にあこがれる。
きっと地上の木も、「雲は自由に空を旅できていいなぁ」と見上げているかもしれません。
そんな相反する存在の視点に気づかされる、静かで深いメッセージが込められた場面です。
自然のサイクルや天気の変化にも親しめる絵本
仲間の雲たちとはぐれて、いろいろな形に変身しながら楽しんでいた ちいさなくも☁️。
でも最後には、仲間の雲たちと合流することができました。
そしてそのあとに起こる出来事が、ふっと現実の世界に引き戻してくれます。
それは、仲間の雲たちだけでは起こせないこと。
もちろん ちいさなくも☁️ ひとりの力でもできないこと。
「みんなで力を合わせるからこそ生まれるものがある」——そんな気づきを、そっと教えてくれます。
ふんわりとした優しい雰囲気の中に、自然のサイクルや天気のしくみもきちんと感じ取れる。
子どもも大人も、心に残るメッセージを受け取れる素敵な絵本です。
繰り返しのフレーズで英語学習にもぴったり!
ちいさなくも☁️ がさまざまな形に変わるたびに登場するのが、
“Little Cloud changed into a…” という繰り返しのフレーズ。
このパターンに子どもたちもすぐに慣れて、「Rabbit!」などとintoのあとの言葉を元気に答えてくれます。
自然に英語の語順やリズムが身につくのは、絵本ならではの魅力。
子どもたちとのやりとりを楽しみながら、英語への興味もぐんぐん育つ一冊です。
まとめ
『Little Cloud』は、ふんわりとした雰囲気のなかに、
想像する楽しさ、自然へのまなざし、そして英語のリズムまで詰まった素敵な絵本です。
読み聞かせのひとときを通して、子どもたちの「見えないものを見る力」が育まれていく——
そんな時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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