the seed

絵本

今日紹介したい本はこちら!

The Tine Seed』作:エリック・カール 

ちいさい タネ』訳:ゆあさ ふみえ

秋、強い風が吹いて種が飛ばされていく。その中にちいさいタネがある。他の種たちに追いついていけるだろうか・・・?

『はらぺこあおむし』でお馴染みのエリック・カールの絵本です。可愛らしい本と思いきや、人生哲学を感じさせる深い話📖です。

秋🍂、ちいさいタネは他の種と同じように風に吹かれて旅をする。

途中、高く空に上がりすぎて太陽に焼かれてしまった種☀️、雪山に降りてしまった種❄️、海の中に沈んでしまった種🌊、砂漠に落ちてしまった種🏜️がいる。どれも芽を咲かすことはできない種たち。

無事、他の種たちは地面に降り立ったが、安心したのも束の間。鳥に食べられてしまう🐦‍⬛。ちいさいタネはじっとしている。

冬☃️ 雪の毛布の下の土の中には種たちがいる。でもそこには種を食べるネズミが🐭。

春🌸 雪が溶けて春が来た!太陽☀️が降り注ぎ、雨が降り☔️、種たちはもう種じゃない。新芽を出し🌱、茎や葉っぱがどんどん太陽に向かって伸びる。だけど大きな雑草がそれを邪魔して死んでしまう植物も。

ちいさいタネは他の種達から遅れて、ようやく芽を出し始める。

でも他の育った植物はせっかく大きくなったのに、外に遊びに出た子どもに踏まれてしまったり

せっかく綺麗な花までつけたのに、男の子の愛の告白のために引き抜かれてしまったり

夏🌻 ちいさいタネはとうとう一人ぼっちになってしまった。どんどん成長して、たくさん葉っぱをつける。どんどん高くなって、人よりも家よりも高く成長した

ちいさいタネは巨大な植物に成長し、人々が珍しがって見にきたり、虫や鳥たちが遊びに来る

秋🍂 その植物の花びらは落ち、風が強く吹いて植物を揺らす。するとちいさいタネ達が飛んでいった。

この本は自然淘汰されていく自然界の厳しさを描いています。そして最後生き残ったのは一番小さかったタネだけ。そしてこの植物が秋になるとやがて枯れ、自分のタネを風に飛ばします。このタネもきっと厳しい自然界で生き残れるのはわずかなのでしょう。こうやって命は受け継がれていくのですね。

このちいさいタネ自分の運命に身を委ね、時にじっと耐えながら、物語は淡々と進んでいきます。なんか人生と似ているなぁ、とふと思いました。よく「自分の運命を切り開いていく」と力強い言葉を聞くこともありますが、やはり自分の力や努力だけではどうにでも出来ないこと、太刀打ち出来ないことがたくさんあります。このちいさいタネのようにじっと静かに自分の運命を受け止めている姿を見習いたいと思いました。

ところで、この本は文章も長く、英語レッスンにはちょっと難しい絵本です。だけどやっぱりこの絵本を通じて伝えたいことがあり、高学年の子どもに読んでみました。

この本にはhigher, taller, fasterなどの比較級の単語がたくさん出てくるので、レッスン内容に葉っぱや木など大きさを比べるアクティビティーも取り入れて、絵本のイメージがより伝わるようにしました。

レッスン内容については昨日のブログで紹介しています。

大人が読んでも刺さります。ぜひ手に取って読んでみてください。

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