みる 見る 観る 視る 看る 診る

絵本

みなさん、ちゃんとみていますか? みえていますか?

Blind(ブラインド)とは盲目という意味ですが、視力があっても盲目になってしまうこと、あります。

今日紹介したい本はこちら!

Seven Blind Mice』 作:ED YOUNG

目が見えないの7匹のネズミがいた。その池の近くに”何か”がいて、一匹いっぴき、それが何かを調べようとすると・・・。

絵本のあらすじ

ある日、匹の盲目のネズミ🐭達は、池の近くに何か変なものがあるのに気付く。「なんだこれは?」とびっくりして走って家に帰って行った。

月曜日赤いネズミ最初に探りに行ってみた。「だったよ」と言うが、誰も信じない。

火曜日緑のネズミ次に行ってみた。「だよ。」と言う。

「違うよ!」と黄色いネズミ水曜日に言った。「だよ」と3番目の彼は言った。

4番目紫のネズミ木曜日に行った。「大きなだよ。」

オレンジのネズミ5番目金曜日に行った。「うちわだよ!」そう叫んで「だって動いていたもん。」

6番目青いネズミの番だった。土曜日に行って、「ロープに違いない。」と言った。

だけど他のネズミ達はそうだと思わなかった。言い争いが始まった。「だよ!」「ロープ!」「うちわ!」「だよ!」

日曜日まで続き、白いネズミ7番目で池まで行った。

彼女🐭はその何かの上に駆け上がり、端から端まで、上から下まで駆け回った。

「ああ!なるほど!それは
   のように頑丈で、
   のようにしなやかで、
   のように広くて、
   のように尖っていて、
   うちわのようにそよ風が吹いて、
   ロープのように糸がたくさんある、
全部合わせるとそれは・・・
ゾウ🐘だよ!」

それからみんなでそれの端から端まで、上から下までくまなく駆け回って、納得した。

ネズミ達の教訓:
話の一部だけを知るのは面白いが、全体を見なければ知恵は身に付かない

インドの寓話『6人の盲人と象』が基になっている話

作者のED YOUNGは、この絵本は中国で生まれ、上海で育ちました。この本は1993年、コールデコット オナー賞🎖️に選ばれています。

やはり、コールデコット賞に選ばれている絵本は良本です。そしてコールデコット受賞作品は、日本の図書館においていることが多いです!なかなか欲しい英語絵本や読んでみたい英語絵本は図書館にないことが多いですが、コールデコット受賞作品は高確率であります。英語絵本を購入するのにちょっと躊躇している方は、図書館で借りて、気に入ったら購入するのがおすすめです。

この絵本はインドの寓話『6人の盲人と象』を基にした話です。

こちらの絵本も寓話を分かりやすく話にしています。

先週の私の英語レッスンのテーマは「五感:視覚」でした。小学校高学年の子どもには『Seven Blind Mice』の絵本を読みました。こちらの絵本にした理由がいくつかあります。

  • 匹のネズミがで区別されている。
    赤いネズミは象をみに行ったの部分は()はのネズミがみたの部分は(ヘビ)はと分かりやすく色で区切っています。子ども達には視覚的にも理解しやすくなっています。
  • 匹のネズミが曜日ごとで変わる。
    原作は6人の盲人が7匹のネズミに代わっているのは、曜日ごと話をするためでしょう。毎レッスンごと、曜日の歌を歌ったり、今日の曜日を確認してからテーマ学習に移るので、絵本の中で、曜日を認識できるような内容があるのがとても良いです。
  • 順番の概念が分かる。
    first to find out” 、”the second to go”、”the third in turn” など順番の言い方が分かるようになっている。
  • イラストが美しい。
    背景は真っ黒です。まるで盲目のネズミ達の視界を表しているように。その中で浮き上がる、カラフルなネズミとぞうの貼り絵のコラージュがとても映えます。ぞうの足のしわしわも丁寧に表現されているし、へびの皮膚の模様を染め上げていてとてもユニークです。また貼り絵なので立体的に感じます。

この絵本には最後に”ネズミの教訓”が書かれています。要は「木をみて森をみず」と言うことです。ネズミ達が「柱だ!」「ヘビだ!」とそれぞれが触れて確かめた体験を譲らずに言い争うのですが、誰も間違っていない。事実を伝えているだけ。だけどなんでこんなに意見が食い違う理由は、みんな一部しか見ていないからですよね。

白いネズミは最後まとめました。「これをぜーんぶ合わせると、ゾウだよ!」と。

この話は盲目のネズミ達の話ですが、これは生物学的に視力が弱い人の話ではないですよね。視力があっても目で見えないことがたくさんある。見えていないことがたくさんある。見ようとしていないこともたくさんある。一部だけ切り取って、解釈して分かった気でいることたくさんありますよね。

保育士の専門学校時代、子どもをよくみる(見る・観る・診る・視る・看る)ことが大事だと習いました。いろんなみるの種類があります。自分の色眼鏡を通してみていないか、自分からの方向からしかみていないか、等々。

絵本とはいえ、大人の私にとっても刺さる絵本です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました