白い靴の可能性

絵本

ちょっと肌寒くなり、冬の訪れを感じ始める頃、寒いなぁ、布団から出たくないなぁ、ちょっと気分が沈む時はないですか。そんな時、すごく明るい気持ちになれる絵本、あります!!!

『Pete the Cat : I Love My White Shoes』作:Eric Litwin 絵:James Dean

『ねこのピート だいすきなしろいくつ』訳:大友 剛 文字画:長谷川 義史

ねこのピートファンキーロックンロールねこ!つまり、前向きに強く楽しく生きるかっこいいねこなんです!大好きな白い靴がいちごに染まって真っ赤になっても、泥んこになっても「I love my ○○ shoes♪」と歌いながら力強く進んでいきます。

この絵もピートの雰囲気が伝わる格好良さがあります。ピートだったら、この真っ白い靴ジャラジャラとガラクタだらけになっても、ビリビリと破れてしまっても颯爽と履きこなしてしまうのではないか、そんな可能性すら感じます。

この本は大人気でシリーズで出ています!

これは作者の方達がライブをした時のyoutubeです。ノリノリのJamesさんや子ども達が楽しんでいる様子もぜひ見てみてください。

この本はインターナショナルスクールで働いていた時にある男の子が「一緒に読もう!」と持って来てくれました。私は違うクラスにあったこの本は読んだことがなく、文面通りに淡々と読み上げてしまいました。

すると、その男の子が突然「I love my red shoes♪ I love my red shoes♪」と歌い始めたのです。「?」と思っていると、歌が終わったのでまた読み進めました。するとまた「I love my blue shoes♪ I love my blue shoes♪」と同じフレーズで歌い始めました。そこで初めてこの絵本は歌のフレーズがあるのだと気付き、私も分からないながらも一緒にノリノリ🎸で歌いました。

最後まで読み終えて、ちゃんと本の最後に歌のフレーズが載ってあることも知りました。後でその男の子の担任から話を聞くと、その日はクラスでその絵本を読んだそうです。よっぽど楽しかったのでしょうね。その男の子がとても大きな声で、お世辞にも上手いと言えない歌声で歌っている様子がとても可愛くて、今でもその男の子の歌う様子が目に浮かびます。

今の幼児教育の現場は「正確に」歌うことよりも「楽しく」歌うことを重視しています。一昔前は「音程が外れているよ」「リズムはこうだよ」と指導していたようです。ただこれだけでの違いですが、何事も興味関心を持って楽しい!って思った時、人間はどんどん吸収して伸びていきますよね。

つい先日、吹奏楽の全国大会のコンクールをオンライン配信で視聴しました。日程の関係で高校生の部と一般の部(職場や社会人枠)だけ観たのですが、気付いたことがあります。一般の部の演奏者イキイキとした表情で演奏していました。高校生の表情は頑張っている顔です。自分の青春を注ぎ込んで、仲間達と切磋琢磨して必死に練習してきたんだな、という顔です。一方で、一般の部の演奏者達は仕事とは違う領域で、また学生時代とはまた違う感覚で、純粋に吹奏楽を楽しんでいる顔をしていました。

私がカナダ🇨🇦にいた時に、ホストファミリーの学校行事を観に行ったことがありました。小学生1年生から4年生ぐらいまでの生徒が楽器の演奏をしました。ピーピー音が外れるし、合奏も合わないし、正直、日本の学芸会と比べるとその落差にびっくりしました。すると、隣でホスト父を見ると顔を真っ赤にして笑いをこらえていました。私も一緒に吹き出しそうになりましたが、必死にこらえました。

でも、子ども達の表情を見てみると、みんな楽しそうだったんです。下手な演奏を気にもしていなくて、体を揺らしてノっている子どももいました笑。そのうち感動だか何だか分からない涙がポツリポツリと流れてきました。演奏を終えての帰り道、ホスト父は子どもたちに向かってあえてお世辞を言うことはありませんでしたが、「Hey! Did you have fun? Yeah! That’s good!That’s good!」(楽しかったかい?うん!なら良かった!良かった!)と大きくうなづきながら言っていました。ピリついた雰囲気の中、練習した小学校時代の学芸会を思い出し、私だったらこっちを体験したかったと思った日でした。

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