Peddlerとは行商人のことです。
今日紹介したい本は、おさる🐒とおひげのおじさん👨🏻の面白いお話です。
『CAPS FOR SALE』 作・絵:エズフィール・スロボドキーナ
『おさるとぼうしうり』 訳:松岡 享子
変わった帽子売りのおじさんは、自分の頭の上に帽子を積み上げて帽子を売りに歩きます。ある時、疲れて大きな木の上でお昼寝をしていると、あら大変!帽子が全部なくなってしまって…。
初版が1940年ととても古い本です。ですが、シュールとユーモアを兼ね揃えたこの話は、古典的でありながらも新鮮でロングセラーなのも納得です。時代を感じるのは帽子一つ50円で売っていることぐらい。
この話の主人公はpeddler行商人で帽子を売り歩いています。ちょっと変わった売り方をする行商人で、売り物の帽子を色ごとに綺麗に自分の頭の上に積み上げて売り歩きます。帽子が崩れないようにそろりそろりと歩きます。この行商人がスーツを着て口髭を生やした紳士なおじさんなもんだから、その売り方のシュールさにプププと笑ってしまいます。
疲れた行商人は、ひと休みするのにぴったりな大きな木を見つけたので、そこでお昼寝をすることに。でも起きたら、あら大変!帽子は全部なくなっていました。
その大きな木を見てみると、サルたちが売り物の帽子を取って持っていました。怒った行商人は「You monkeys, you!」と怒鳴りますが、サルたちは行商人の真似をして「Tsz, tsz, tsz.」と返事をするばかり。要は猿真似の話なんですね。そんなサルたちとは対照的に、行商人の怒りがどんどん大きくなっていき、物語は盛り上がります。
行商人の怒りが頂点に達して、行商人が自分の帽子を地面に投げつけた時、物語は思わぬ方向へ…。ストーリー展開が面白く、最後にオチがあって、飽きずに読める本です。
読み終えたら最後にこの表紙を見てください。「あ〜!」と納得するはずです。なんかこの行商人のおじさん可愛いらしい。反省をちゃんと次に活かすタイプの方のようです。笑
絵本の授業で習いましたが、絵本の読み聞かせの基本は、読み終えたら表紙を最後に見せます。表紙と裏表紙が繋がっている場合もあるので、その時は広げて表紙を裏表紙を一緒に見せるようにします。
この絵本のように、最初見た表紙の印象と物語を読んだ後で見る表紙の印象は、意味が分かると変わってきます。最後「あ〜、そういうことだったのかー!」となるのも面白い仕掛けですよね。
絵本は短い文章と絵、限られたページの中で作者の意図や伝えたいことがたくさん詰まっています。だから読む度に印象が違ったり、年齢やその時によって感じ取ることも違うんですね。本当に奥が深くて面白いです!何より大人もハマってしまいます!
もう一つ、読み聞かせの時のポイントは読み終えたら、感想を求めないことです。子どもたちが絵本の余韻を浸れるようにします。
あ〜、この行商人のおひげのおじさん、うちの近所にも売りに来ないかなぁ〜?あんな売り方してたら面白くて帽子を一個買っちゃうのに!
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