お気に入りのぬいぐるみ

絵本

皆さんは幼少の頃、お気に入りのぬいぐるみ毛布ありましたか?

あるいは今、お子さんにお気に入りのものがあって、洗濯するのも大変!なんて思いはしていませんか?

今日紹介するのは、その大変な思いをしているお父さん、お母さんに向けた絵本です。

Knuffle Bunny』       作・絵:モー・ウィレムズ

トリクシーの くたくたうさぎ』 訳:中川 ひろたか

トリクシーはお父さんとコインランドリーに出掛けます。途中でお気に入りのぬいぐるみを無くしてしまい大騒ぎ!果たしてトリクシーはぬいぐるみを見つけることが出来るのか・・・?

この絵本、なんともおしゃれなんです。実写のモノクロ写真の上に登場人物のみ絵で描かれています。NYのような都会に住んでいるようで、おしゃれなアパートメントや公園のおしゃれな街並みが分かります。

この絵本の主人公のTrixie(トリクシー)はまだ言葉が喋れられない女の子。この日はお父さんと近所のコインランドリー🧺に出掛けます。お気に入りのぬいぐるみKnuffle Bunny🐰を連れて。

数ブロック歩き、公園の中を通り、学校の前を通ってコインランドリーに到着です。

ご機嫌なトリクシー。洗濯のお手伝いもして、うちに一旦帰ろうとしたところ、あることに気付きますっ⚠️

Aggle Flaggle Klabble!”と訴えますが、お父さんは「そうだよ、うちに帰るよ。」とトリクシーの言葉を分かった風。

いや、違う!違うんだ!お父さん!と一生懸命訴えますが、お父さんは「頼むから駄々をこねないでくれ。」と言います。

こうなったらトリクシーは声と体で表現するしかありません。”She went boneless.”という表現が出てくるんですが、まさにそう!なんで子どもは大暴れする時って、骨がないタコやイカに変身したかのような軟体動物のような動きになるんだろう?

周りの冷たい視線を浴びながら、お父さんはトリクシーを抱きかかえて、なんとか家まで辿り着きます。「違うんです。私の子どもです!誘拐じゃありません。なんか分からないけど、突然駄々をこねてしまって・・・💦」というお父さんの心の声が聞こえてくるようです。

家に着くとお母さんはKnuffle Bunnyを持っていないことにすぐ気付きます。お母さんさすがです!👏🏻

3人は急いで、コインランドリーまで戻り・・・。果たしてKnuffle bunnyと再会できるのか?

そして最後はほっこりする結末なので、ぜひ読んでみてください!

行きのコインランドリーまでの道のりは”went past the school” だったのに対して、ぬいぐるみを探しにコインランドリーに行く時は ”zoomed past the school“という表現に変わっています。ビューンと飛んでいった雰囲気が伝わりますね。

まだ、話せない子どもが何かを訴える時ってちゃんと理由があるんですよね。しかも、何度聞いても同じような音を発話するので、本人はちゃんと言葉で喋っている。伝わらないってもどかしい。

私がこども園で0歳児の担任をしていた時のこと。お昼寝の時間に早めに目を覚ます子がいたので、一緒に給食室まで午後のおやつを一緒に取りに行っていました。他のクラスの保育室を静かに通っていくのも慣れたもので、「おやつ一緒に取りに行こうか?」と声を掛けるといつも嬉しそうに来てくれました。

ある時、おやつのトレイで両手が塞がっているので、私がドアを開けられず近くのテーブルに一旦おやつを置いてからドアの鍵を開けようとすると、その子が必死の様子で「アダダダダー!アデュデュデュー!」とテーブルのおやつを一生懸命指差しながら私に訴えかけます。訴えている内容が分かっているので「大丈夫だよ。おやつ忘れてないよ。ドアの鍵開けるだけだよ。」と言っても納得してくれません。何度も、「アダダダダー!アデュデュデュー!」と訴えます。

結局ドアの鍵を開け、おやつのトレイを私が持つと「よし!」と納得したようについて来てくれました。その一生懸命訴えかける姿は可愛いのなんのって!その納得した様子も、今までは付いて来ているという感覚でしたが、まるで現場監督のような、私に付き添って来てくれた風格すらありました。頼りになりますっ💪🏻

この本を読むと、そんな出来事を思い出しました。

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