『How Are You Peeling? Foods with Moods』作:Saxton Freymann, Joost Elffers
『どんなきぶん?』訳:Arthur Binard
「どんなきぶん?」「ハッピー!」「悲しい」「気分はブルー」それから、それから…。
絵本のあらすじ
「君はどんな気分?」と様々な表情の野菜🍅🫑や果物🥝🍎が登場します。
「優しい友達が君を励ましに来てくれるよ。」
ニコニコ顔のキウイ🥝、眠そうなキウイ🥝、大声で笑っているキウイ🥝、怒鳴っているキウイ🥝、
「君はどんな気分?」
「君が怒ったら、ふくれっつらになる?めそめそする?泣く?叫ぶ?大声で騒ぐ?」
「たくさんの笑顔!誰がほっとしているかな? 誰が自信に満ち溢れているかな?」
「君の気分は表現できてるかな?」
「君がどんな気分か分かってくれる友達がいるっていいよね。」
「君はどんな気分?」
野菜や果物の豊かな表情に見入ってしまう!
タイトルの『HOW ARE YOU PEELING?』は野菜の皮を剥くpeelと気持ちのfeelを掛けています。
これは写真絵本です。絵本の中に出てくるのは、規格外商品としてはじかれるような歪んだり、曲がった野菜や果物ばかり🫑🍊 その歪みが大きな笑顔の口になったり、怒っている時のくしゃくしゃな顔になって、たくさんの表情が表現されています。
目に見立てているものはblack-eyed peasというお豆を使っています。口の赤みはビーツという野菜の汁を使っています。それにシンプルなナイフで口として切り込みを入れるだけで様々な表情を作り出しています。
その表情の豊かさがとても複雑で、言語化できない気持ちまで汲み取ってくれます。日本語版の絵本は気分と訳されていますが、私個人的には気持ちの方がしっくりきます。
レッスンで読んだところ、ある子👧🏻が「なんか変な顔ばっかり〜!」と笑っていたのに、ところどころじ〜と見入っている姿がありました。ちょうどその子はレッスン冒頭「How do you feel today?」の質問に「Sad.」と答えた子。何か感じるものがあったのでしょう。
悲しい理由も自分の言葉で説明できていたし、その時の自分の気持ちを素直に伝えるのはとても大切なこと。「いろんな気持ちがあっていいんだよ。」というメッセージがその子にも、その周りの子にも伝わったらいいなと思った瞬間でした。
大人にもじっくりみてほしい絵本です。大人だって言語化できない、あるいは自分でも気付かない気持ちを表現されているようなページにはちょっとドキッとします。「そうそう!そんな気持ち!こんな顔になる!」と思わず共感してしまいます。
そして絵本の中で時々「君はどんな気持ち?」と語りかけられます。
- HOW ARE YOU FEELING?
- HOW ARE YOU FEELING?
- HOW ARE YOU FEELING?
その度に強調されている言葉が違います。最後は「君はどんな気持ち?」です。なんか、蓋をしていた気持ちに向き合わなくてはいけない気持ちになります。笑
この本は丁寧に丁寧に心の奥を掘り下げるようなそんな絵本です。
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