A Busy Year

絵本

あけましておめでとうございます🎍

2024年ですね🎉
年始に紹介したい絵本はこれです!

A Busy Year』作:Leo Lionni 出版社:SCHOLASTIC INC.

いろいろ1ねん』訳:谷川俊太郎 出版社:あすなろ書房

1月の始めの日、ネズミのウィリーとウィニーは木のウッディに会いました。それから、それから…。

絵本のあらすじ

1月の始まりの雪の日、ネズミの双子のウィリー🐭とウィニー🐹は木のウッディ🌳に出会います。

3人は友達になり、仲良くなっていきます。

3月、止まない風と雨を心配して、ウィリー🐭とウィニー🐹はウッディ🌳の様子を見にいきます。すると「この雨は大丈夫。私には必要な雨。もうすぐ春が来るのが待ちきれない。つぼみが出てくるのを感じるの。」とウッディ🌳。

ウッディ🌳の言う通り、4月にはつぼみを付けて、5月には綺麗なお花🌸が咲きました。5月ウッディ🌳のお気に入りの月です。

ある帰り道、ウィリー🐭とウィニー🐹はウッディ🌳が動けないことを可哀想に思います。6月のウッディはどこか浮かない顔。理由を聞くと夏の山火事🔥を心配していました。そんな嫌な予感が的中してしまい、7月は近くで山火事🔥が起こってしまいます。ウィリー🐭とウィニー🐹は駆けつけて、ホースで水をかけてウッディ🌳に迫る山火事を消します。

9月になると、ウッディ🌳は沢山の美味しい実🫐をならしました。ウィリー🐭とウィニー🐹もこんなに美味しいベリー🫐を食べるのは初めてです。

秋が深まるとウッディ🌳の葉っぱはどんどん落ちていきます。可哀想に思うウィリー🐭とウィニー🐹ですが、ウッディ🌳は「心配しないで、また来年新しい葉っぱが生えてくるから!」と言います。

12月ウィリー🐭とウィニー🐹はウッディ🌳のために考えた素敵なクリスマスプレゼントを渡します。それは・・・?

3人のほのぼの友情だけではない、レオ・レオニからのメッセージ

この絵本、大好きです。こども園で働いていた時に、当時担任をしていた年長の子どもたちにどうしても読みたくて、日本語版も買いました。

この絵本は、珍しくひょろっとした縦長の形をしています。きっと木のウッディ🌳に合わせたサイズにしているのだと思います。1年を巡る12ヶ月をページ見開きで、1ヶ月ごと話が進んでいきます。

3人の友情がほのぼのしていて心地が良いのです。しかし、私がこの絵本が好きな理由は自然界を生き抜くウッディ🌳の強さが描かれている事です。これがレオ・レオニからのメッセージだと感じます。

ウィリー🐭とウィニー🐹は風や雨を心配したり、葉っぱが落ちていく様子を可哀想に思います。でもウッディは力強くこう言います。

  • All this rain is fine. I need it.” この雨は大丈夫。必要な雨なの。
  • Don’t worry, next year I’ll have new leaves. You’ll see!“ 心配しないで。来年新しい葉っぱが生えてくるから。見てて!

1年の気候を通して、木のウッディ🌳は植物に何が必要か、どのように1年を変化していくかを教えてくれます。こうやって季節は巡り、植物は育っていくのですね。

そんな自然界でたくましく生きるウッディ🌳も悲しい表情を見せたのは山火事についての話でした。人間の不注意で山火事になってしまい、多くの木が死んでしまう。だけど私は動けないと嘆くのでした。

日本語の絵本の訳はあの谷川俊太郎さんです。こうやって、日本語版と英語版を読み比べると面白いことも分かります。5月のページの最後の文章があえて訳されていません。

On their way home Willie said, ” It’s a shame that Woody can’t run.”

『A Busy Year』より引用

訳すと「帰り道、ウィリーが言った。”ウッディが動けないなんてね。”」です。

そして次の6月のページで下記の記述があります。

“I do” said Woody, “but people are careless with cigarettes and campfires, and many trees die in the flames. And I can’t run.”

「すきよ。でも にんげんて、たばこや たきびの火に、きをつけないんだもの。たくさんの木が、やまかじで しぬの。木は うごけないから」

『A Busy Year』、『いろいろ1年』より引用

6月につながる”ウッディは動けないなんてね”との言葉だと私は思うのですが、なぜ訳されていないのか、想像が膨らみます🤔 

このように絵本の作者の意図を汲み取るのも面白いし、翻訳者が作者の意図を解釈した訳し方を汲み取るのも面白いです!

ところで、最後のページのウィリー🐭とウィニー🐹がウッディ🌳に送ったクリスマスプレゼント🎁 ちょっと面白いけれど、2人の優しさが詰まった最高のプレゼントだと思います。

2月に書いてある、ウィリー🐭とウィニー🐹はマックバーニーさんの納屋で牛🐮や馬🐴、鶏🐓と一緒に住んでいることが伏線になっているのでしょうね!笑

この絵本を読むと「新しい1年が始まったな!」とやる気に満ちた気持ちになります。
そして1年後、「あっという間だったな、いろいろあったな〜この1年。」と思うのでしょう。

本年もよろしくお願いいたします🐲

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