子どもたちが大爆笑!ちょっと不思議でクセになる英語絵本をご存じですか?
北米ではロングセラーの絵本をご紹介します!
📖Book Info
- タイトル:There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly
- 作者:アメリカの童謡
- 絵:Pam Adams
- 出版社:Child’s Play
- ページ数:16ページ
- 対象年齢:4-12歳
- 英語の難易度:★☆☆
絵本のあらすじ
ハエを飲み込んでしまったおばあさんがいました。
なんで飲み込んでしまったのか分かりません。
おばあさん、死んじゃうかも?
クモを飲み込んだおばあさんがいました。
クネクネ、ビクビク、お腹の中で動いてる!
ハエをつかまえるために、クモを飲み込んだおばあさん。
なんで飲み込んでしまったのか分かりません。
おばあさん、死んじゃうかも?
それから、それから…?
おすすめポイント3つ!
この絵本は、ナンセンス・ライム(意味はないけれどおかしな子どもの歌)がもとになっています。
冒頭から「おばあさん、死んじゃうかも?」なんてフレーズが飛び出してきて、一瞬ドキッとするかもしれません。
でもご安心を。ストーリーはとってもヘンテコで、小さなお子さんにもわかりやすく、思わず笑ってしまう展開ばかり。
子どもたちに大人気の、笑えるナンセンス絵本です!
ポイント① 韻を踏む表現で、歌うながら楽しく読み進められる
“Rhyming(ライミング)”と呼ばれる韻を踏む表現は、言語習得においてとても効果的です。
音の繰り返しを通じて、音韻認識や語彙力の向上など、たくさんのメリットがあります。
でも何よりの魅力は、子どもたちが言葉遊びとして英語を楽しめること!
たとえば、この絵本の中にはこんなフレーズがあります:
There was an old lady who swallowed a dog. What a hog, to swallowed a dog!
犬を飲みこんだおばあさんがいた。なんて欲ばり!犬まで飲みこむなんて!
この部分では、dogとhogが韻を踏んでいます。
こうしたライミングは自然とリズムが生まれ、読むのも聞くのも心地よくなります。
さらに、ひとつの単語から音のつながりで他の単語に親しめるのも大きなポイントです。
このお話は、歌いながら絵本を読み進めることができます。
YouTubeなどで検索すると、さまざまなバージョンの歌が見つかりますよ。
メロディーにのせて繰り返し口ずさむうちに、難しいと思っていた英語のフレーズも自然と覚えてしまうから不思議です。
ちなみに、絵本のタイトル『There was an old lady who swallowed a fly』には、関係代名詞“who”が含まれています。
日本の英語教育でいえば中学英語レベルの文法ですが、こうして歌にのせて覚えると、文法を文法として学ぶよりもスッと身につきやすくなります。
ポイント② 繰り返しのフレーズと「積み重ね歌」の構造が学べる
この絵本では、おばあさんがハエを飲み込んだことをきっかけに、どんどんいろいろな生き物を飲み込んでいきます。
しかも、毎回繰り返しのフレーズが登場し、まるで「積み重ね歌」のように話が進んでいきます。
飲み込まれる生き物は、ハエ🪰 → クモ🕷️ → 鳥🦜…と、だんだん大きくなっていき、繰り返しと順序の理解を助けてくれます。
また、この絵本は仕掛け絵本になっていて、ページごとにおばあさんのお腹の中が見える穴あき構造になっています。
視覚的にも「小さいものから大きいものへ」という変化がわかりやすく、大きさの概念や順番の理解にもつながります。
ポイント③ 季節やイベントに合わせたバリエーションが豊富!
『There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly』は、ナンセンス・ライムがもとになっているユーモラスな物語です。その人気から、さまざまなバージョンの絵本が出版されています。
なかでも特に有名なのが、アメリカでコールデコット賞を受賞したこちらの作品です。賞作品のこちらです。
この絵本は細部まで丁寧に描かれており、裏表紙にはさまざまな種類のハエまで登場!
フォントもカラフルで、動物たちのリアクションやつぶやきもコミカルに描かれていて見どころ満載です。
一方で、私はレッスンではPam Adams版を使用しています。
こちらはイラストや言葉づかいがよりシンプルで、小さなお子さんや英語初心者にも親しみやすいのが特徴です。
また、「何かを飲み込んでしまったことが原因で、さらに別のものを飲み込む」というこの絵本の構造は、季節行事やテーマに合わせた別バージョンにも応用されています。
すでに物語のベースを知っていれば、他のバージョンもすんなり楽しむことができるのが魅力です。
🕸🎃ハロウィンにおすすめのバージョンはこちら!
🎄🎅🏼 クリスマスに読みたいのはこれ!
レッスン中の子どもたちの姿
私のレッスンでは、最後に必ず絵本の読み聞かせを行っています。
この『There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly』を読んだとき、子どもたちにこんな素敵な変化がありました。
読み聞かせ中は子どもたちが大笑いし、教室がにぎやかに。
読み終えて、「That’s all for today. Let’s get ready to go home!」とレッスンを締めくくると、Aちゃん👧🏻はまっすぐ絵本に向かい、ページをめくりながら「面白かったー!」と嬉しそうに話してくれました。
さらに翌週、教室に入ってきたAちゃん👧🏻は、真っ先に「今日の絵本」の場所へ行き、またページを楽しそうにめくっていました。
これまで特に絵本に興味を示さなかったAちゃん👧🏻が、自ら絵本に向かう姿を見て、この絵本が彼女の絵本への興味を引き出してくれたのだと実感しました。
ナンセンスだけど学びがいっぱいの一冊!
いかがでしたか?
『There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly』は、ナンセンスでちょっぴり不思議なお話ながら、韻や繰り返しのリズム、仕掛け絵本としての工夫など、子どもたちが夢中になる要素がたくさんつまった絵本です。
英語を「勉強」としてではなく、言葉で遊ぶ楽しい時間として届けられる一冊。
しかも、季節やイベントに合わせたシリーズも豊富なので、絵本を通して年間を通じて英語に触れる習慣も自然と身につきます。
ぜひ、お子さんと一緒に読んで、笑いながら英語のリズムや言葉の楽しさを感じてみてくださいね。
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