The Sense of Wonder

絵本

センス・オブ・ワンダー』読んだ方はいますか?

今日紹介したい本は絵本ではなく、保護者の方にぜひ読んで欲しい本です。

私は保育士時代にこの本をお守り代わりに通勤リュックに入れていました。朝はパラパラとページをめくって数行読んで、心を落ち着かせたり、帰り道は写真を眺めて疲れてを癒したり

The Sense of Wonder センス・オブ・ワンダーレイチェル・カーソン

訳:上遠 恵子  写真:森本 二太郎

筆者が4歳の親戚の子どもと過ごす別荘近くの海岸での自然への探検の描写。彼女が子どもたちに失わないでほしいと願うことは・・・。

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センス・オブ・ワンダー
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この本は、保育士専門学校の時に授業で先生が取り上げてくれました。その時にすごく興味があったのに、買わずにいました。その後、保育士なって最初の研修で、講師の先生のおすすめでこの本が紹介されたので、思わずその足で本屋さんに行って買いました。

筆者のレイチェル・カーソンベストセラー作家でもあり、海洋生物学者でもあります。環境汚染と破壊の実態を世に先駆けて告発した本Silent Spring 沈黙の春』は彼女のロングセラーの作品です。

The Sense of Wonder センス・オブ・ワンダー』は彼女とロジャーという4歳の男の子が海岸や森で過ごす時間を書いています。自然の中でロジャーが夢中になって過ごす時間の中で、植物や生き物の名前が心にしっかりと刻み込まれていきます。雨の日もレインコートを着て森の中を探検します。

キラキラと輝く星が、荒々しい波の音が、しんと静まり返った森の中で草木を踏み締める音が、雨の日の森の匂いの変化が、スポンジのように雨を吸い込んだ苔の感触が、そんな情景がこの本を読んでいると五感と共に感じる事ができます。

 子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。
 もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘や不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。
 この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです。

『The sense of wonder センス・オブ・ワンダー』から引用

私は自然には敵わないなと痛感した出来事があります。保育士1年目は担任を持っていなく、子ども達との距離感を掴めずに悩んでいました。いつまで経っても子どもたちに名前を覚えてもらえず、悶々としていた時期でした。

そんな時の夕方に、他の先生の代替として外遊びに入りました。その時にすごく綺麗な夕焼け雲が見えました。園庭の真ん中にある築山に登って、近くにいた4歳児の2人の子どもとただ「綺麗だね。。。」と各々一言発した後は、ただただ綺麗な夕焼け雲を見つめていました。私たちは喋るのも忘れるほど、本当に綺麗な雲でした。すると年長の子がやってきて「あれは羊雲って言うんだよ。」と教えてくれました。

しばらく羊雲の夕焼けを楽しんだ後、その2人の子どもに「○○先生!あっち行って遊ぼう!」と急に名前を呼ばれました。名前知ってたんかーい!って思いましたが、豊かな時間を共有できたことでグッと距離が近くなった感覚を覚えています。

 子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。
 美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激思いやり憐れみ賛嘆愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます

『The sense of wonder センス・オブ・ワンダー』から引用

この豊かな土壌を耕す環境を整えるのが大人の責任と役目ですね。子どもたちがたくさんのsense of wonderな体験を出来ますように・・・✨

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