friends

絵本

友達という言葉で頭に浮かぶ人はいますか?その友達とは、どうやって知り合いましたか?どんなふうに仲良くなりましたか?どんな時に知り合いから友達と感じるようになりましたか?

今日の本は友達の本です。その、友達になる瞬間の。

Yo! Yes!』    作・絵:クリス・ラシュカ

やあ、ともだち!』 訳:泉山 真奈美

陽気な男の子👦🏽と内気な男の子🧒🏼の短い会話で紡ぐ友達になるまでの話です。

私、こういう本、大っ好きです。なんだろう、大人にグサっと刺さる本かもしれません。すごくシンプル深いです。

2人の対照的な男の子の短い会話表情で物語が展開していき、2人の間に友情が芽生えていく瞬間に立ち会えます。

表情だけではありません。ボディランゲージってこんなにも感情を表現してくれるのですね。陽気な男の子の前のめりな姿勢が可愛くて・・・。最後の2人が飛び上がって喜んでいる姿にこっちも一緒に飛び上がりたくなります!

Yo!」とか「Yes?」とか、「Me!」とか「You?」とか。そんな一言二言のやりとりをする2人。だからこそ、相手がどんな感情か、どんな意味を込めているのか察するしかないのです。

長い文章で2人の気持ちをナレーションする野暮なことはしないのです。だからこの本はとってもかっこいいのです!

Me!の中に含まれるのは「君に言ってんだぜ!俺と遊ぼうぜ!」なのか「こんな、俺どう?友達として最適だと思うんだけど」なのか。そんなことを読み手も推測しながら読み進めます。

この対照的な2人はきっとすごく気が合って、この友情は長く長く続くのだろうなぁと思います。そんなワクワクする2人の未来を見れる最初の一歩に立ち会えた気分です。

この本を読んだ最初の印象は、陽気な男の子が積極的でポジティブでグイグイいくから、2人は友達になれたのだと思いました。でも、読み返してみると、内気な男の子の心を溶かしたのは、陽気な彼の絶妙な優しさだと気付きました。ただ、やみくもにグイグイいくわけではないのです。ちゃんと内気な男の子のペースに合わせているんです。(と、私は思っています!)そして彼も決して不安がないわけではありません。最後のページの彼の笑顔は、内気な男の子と同じとびきりの笑顔です。そこには安堵の気持ちもあったのだと思います。

人間関係は経験することでしか学べません。他者と色んな心のやりとりを通して、他者を認識する、他者の気持ちを知る。たくさん失敗もする。そして先生という立場では、絶対教えることは出来ないのです。

今はSNSが人気で様々な友達の作り方がありますね。選択肢があることはとても良いと思います。ただ、デジタルの画面を通して、友達表情目線声色、その他諸々の空気感は伝わりません。どんなに便利にハイテクになっても、目の前の生身の人との関わりを子ども達には大切にしてほしいなと願っています。

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