さて問題です。
あなたが公園のベンチで一人で座っていたら、「Do you mind if I sit here ?」と外国人に話しかけられました。なんて答えますか?
「Yes! Go ahead.」 →外国人は困惑した顔をして、ウロウロした挙句、別のベンチに座りに行くでしょう。
「No, not at all!」 →外国人は「Thank you.」と言って隣に座るでしょう。
この例文はDo you mind if…? を前につけることによって、YesかNoの返答を迷ってしまう質問です。特に日本人は苦手な分野です。
「Do you mind if I sit here ?」は意訳すると「ここに座ってもいいですか?」なのですが、直訳すると、「ここに座っても差し支えないですか?」というとても丁寧な聞き方です。
「No, not at all!」は「全く差し支えないよ。」という意味です。
逆に「Yes! Go ahead.」だと「差し支えあるね!どうぞ」という意味になるので、座ったらダメなのか、それともどうぞ!を勧められているからいいのか困惑してしまいます。
「ここに座ってもいいですか?」という文は「May I (Can I )sit here?」という英文に言い換えられます。May I やCan Iなどで聞かれた場合はYESは座って良い時、NOは座って欲しくない時に返答します。だからごっちゃになってどっちで返答するか迷ってしまうんですね。
日本語は、相手との会話にワンクッション置くために間接的な表現を多くしますね。直接的な表現が多いと思われる英語ですが、英語もこのようにワンクッション置くような表現は多くあります。
Do you mind if …?という表現はよく使います。今回のようなシチュエーションのような見知らぬ者同士でもよくあるし、よく知っている友達同士でも。
Do you mind if …?から始まる表現は、ほとんどNoで答えると覚えていて大丈夫だと思います。咄嗟の出来事で、聞かれた内容はなんとなく分かるけど、Do you mind if …?って言われたかと聞き取れなくても、慌てなくて大丈夫です。答え方はゴマンとあります。YES/NOにこだわらずに、「Please, go ahead.」「Please, take a seat.」など言えば十分に伝わります。
Do you mind if …? と聞かれてYESの答えをしたい時、これまたYESと答えるとちょっとキツく感じます。その時は他の言葉で言い換えるようにするとグッと自然な英会話になります。
Do you mind if I smoke here? :ここでタバコ吸ってもいい?
I’m sorry, I have asthma pretty badly.:ごめんなさい。私、ちょっと喘息がひどいんだ。
Do you mind if …? はちょっと聞きにくいことを聞いたり、お願いしたい時に都合よく使われることもあります。まさにDo you mind if ごにょごにょごにょ?という感じで。笑
私はカナダ一年目のホストファミリーに慣れてきた頃に、ホスト父に「Do you mind if ごにょごにょごにょ( 君のお父さんに言って早くホームステイ料金払ってもらえないかな?そうすると、僕は水道代とか電気代とかの請求書が払えてとても助かるんだけど。)?」と聞かれました。
高校卒業したばかりの青かった私は、YES, I DO MIND!とは言えず、ホストファミリーにお世話になってるしな、気まずくなったら嫌だしなとお金を早く渡してしまいました。もちろん、一回それをOKしてしまったので、毎月必ず聞かれ、その度にとても悲しい気持ちになりました。
今だったら気まずくならずに断る術も身につけたけれども、その時はまだ子どものようなもの。日本から来たばかりの若者にそんなことをするホストファミリーはやり方がずるいなと思います。
ホストファミリーをしている家庭の理由は沢山あります。そして本当の理由はその家族にしか分かりません。けれど、多くの家庭は大切な収入源の一つとしてホストファミリーをしています。当時の若い私はその現実をあまり知らずに「海外の文化に興味のある人たち」という幻想を持ってカナダに渡ってしまいました。
この苦い思い出がある私からすれば、Do you mind if …?の後にごにょごにょが続く時は、要注意⚠️です。ちゃんと内容を聞いて、ダメなものはダメ、嫌なものは嫌とはっきり伝えることはとても重要です。自分の意見や権利を主張するのはとても大事なことですね。
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