今日の絵本は知っている方も多いのではないでしょうか。
紹介したい絵本はこちら!『3びきのやぎのがらがらどん』
『THE THREE BILLY GOATS GRUFF』絵:MARCIA BROWN 出版社:Voyager Books Harcourt, Inc.
『3びきのやぎのがらがらどん』訳:瀬田 貞二 出版社:福音館書店
昔むかし、”がらがらどん”と言う名前の3匹のやぎがいました。それからそれから…。
絵本のあらすじ
昔むかし、”がらがらどん🐐”と言う名前の3匹のやぎがいました。
がらがらどん🐐は丘へ太りに行くところでした。
丘へ行く途中、がらがらどんは川を越えるため橋を渡らなければなりませんでした。
橋の下にはとても醜いトロル🧌が住んでいました。
目はお皿のように大きく、鼻はこね棒のように長いのでした。
3びきのがらがらどん🐐はそれぞれ橋を渡ります。
トロル🧌は「ひと飲みにしてやろう」と言いますが、
それぞれ、がらがらどんは機転をきかせて危機を乗り越えます。
そして最後のがらがらどん🐐の番になった時…!!!
迫力のある絵でハラハラが止まらない!
コールデコット賞受賞者のMarcia Brownの描いた絵はとても迫力があり、トロル🧌の不気味さ、小さなヤギ🐐のか弱さ、大きいヤギ🐐の力強さが伝わってきます。ヤギ🐐が橋の上のを通るたびに、食べられてしまわないかとドキドキハラハラします。大きなヤギ🐐がトロル🧌をやっつけるところは躍動感があり、バラバラにされたトロル🧌には悲壮感すら漂います。
その後は一転、それまでの緊張感が嘘だったかのように、明るく黄色い草がいっぱいの丘の上で3匹のヤギ🐐が軽やかに駆け上がる姿が描かれています。この前後のコントラストが印象的です。
このお話はノルウェー🇳🇴の昔話です。語り継がれたお話をもとに様々な作者で、様々な出版社から絵本が出ています。ただ、日本で一番読まれている絵本は福音館書店の『3びきのやぎのがらがらどん』だと思います。
この絵本は、私が保育士専門学校に通っていた時も、絵本の研修を受けた時も、そしてこども園で働いていた時も、この絵本のよく聞きたし、紹介されていました。そしてもちろん子どもたちもこの話が大好き!発表会の題材なることもしばしばあります。
billyとは雄ヤギ、gruffはしわがれ声のと言う意味があります。これをがらがらどんと言う言葉に翻訳したのですから、すごいですよね✨ この絵本がこれほど日本の子どもたちの間に人気になったのは翻訳の力が大きいのだと思います。先日レッスンでこのお話をした時は、小学生の子が「声ががらがらしているから、がらがらどんって名前なんだよね!」と言っていました。
そしてTroll トロル🧌ですが、絵本の中では醜い怪物のように描かれていますが、これ妖精らしいです笑 そして、ふと「あれ?」と思って検索してみましたが、ある発見をしました。90年代に流行ったトロール人形はご存知でしょうか?まさかあの時のトロール人形が『3びきのやぎのがらがらどん』に繋がるとは〜!!
当時、子どもだった私はトロール人形を持っていた姉や従兄弟をとても羨ましく見ていました。
大きさの概念を学べる文章で、この絵本ではいろいろな言い方で表現しています。
- the youngest Billy Goat Gruff 一番若いがらがらどん
- the tiniest Billy Goat Gruff 一番小さいがらがらどん
- such a small voice とても小さい声で
- I’m too little 僕は小さすぎるよ
- his voice was not so small そんなに小さくない声で
- the big Billy Goat Gruff 大きいがらがらどん
- the billy goat was so heavy そのやぎはとても重い
- two great big stones 2つの固くて大きなひづめ
そして一番分かりやすいのが、橋を渡る時の足音です。
一番小さながらがらどん🐐の”Trip, trap! trip, trap!” から一番大きながらがらどん🐐”T-r-i-p, t-r-a-p! t-r-i-p, t-r-a-p!”に変化しています。ここは読み手として声の強弱をつけて雰囲気を出したいところです。
またトロル🧌の会話で絵本の文字のフォントが異なっているところがあります。ここは3びきのがらがらどん🐐が通るたびにトロル🧌が繰り返すセリフなので強調しているのかもしれません。
- “Who’s that tripping over my bridge?” 俺様の端の上をガタゴトさせているのは誰だ?
- “Now, I’m coming to gobble you up!“それならお前をひとのみにしてやろう!
そしてこの絵本の最後が大好きです!ふっと絵本の世界から現実に戻るおまじないのような終わり方です。
”Snip, snap, snout. This tale’s told out.” チョキン パチン ストン 話はおしまい
コメント