今日のおすすめ絵本は日本語の翻訳版の絵本でも大人気の絵本を紹介します。
『little blue and little yellow』作:Leo Lionni 出版社:Dragonfly Books
これはリトル・ブルー。家にはパパ・ブルーとママ・ブルー。
リトル・ブルーはたくさんが友達がいるよ。
1番の仲良しはリトル・イエロー。通りの向かいに住んでいるんだよ。
それから、それから…?
絵本のあらすじ
これはリトル・ブルー🟦。家にはパパ・ブルーとママ・ブルー。
リトル・ブルー🟦はたくさんが友達がいるよ。
1番の仲良しはリトル・イエロー🟨。通りの向かいに住んでいるんだよ。
リトル・ブルー🟦とリトル・イエロー🟨は仲良く遊んでいるうちに、お互いの色が混ざり合って緑色になっちゃった!疲れてうちに帰ると「グリーン🟩のあなたはうちの子じゃありません!」とお父さんとお母さん。
お父さんとお母さんに気付いてもらえない二人🟩は悲しくなって、大粒の涙をポロポロ流して…。
それから、それから…?
孫のために即興のひらめきから生まれた色と友情のお話
この絵本の作者はレオ・レオニさんという方で、日本では、小学生の国語の教科書で採用されている『スイミー』の作者といえばわかる方もいるかもしれません。
この絵本は、作者がお孫さんのために即興で作ったちぎり絵から生まれたものです。絵本のあとがきにはこの絵本が誕生した時のことが書かれています。
ある日の電車の中、レオ・レオニは3歳と5歳の孫たちと一緒にいました。最初は天使のようにおとなしかった二人でしたが、次第にシートからシートへと飛び跳ね、まるで小さな悪魔のように大はしゃぎ。乗客がどんどん増える中、焦ったレオ・レオニは、なんとか二人の注意を引こうとカバンから雑誌を取り出しました。
ページをめくると、目に飛び込んできたのは青、黄色、緑の色彩。その瞬間、彼の頭にひらめきが走ります。雑誌のページを破り、小さくちぎってカバンの上に並べると、語り始めました——「これはリトル・ブルー🟦。そして、こっちはリトル・イエロー🟨。」
こうして即興で生まれた物語は、やがて彼の初めての絵本となり、今も世界中の子どもたちに愛される名作へと成長していったのです。
元気いっぱいの孫たちに困り果てるレオ・レオニ。その時はまさか世界中に愛される絵本になるとは思っていなかったでしょう。そして、騒いでいた孫たちはレオ・レオニの話に惹き込まれていったのだろうと思います。その時の情景が目に浮かんで思わず笑ってしまいますね。
この絵本の色紙をちぎった登場人物たちに感情が宿っているのです。目も口も描かれていなくても、元気いっぱい遊びまわる様子、学校できちんと座っている様子など雰囲気が伝わってきます。
この絵本の面白さは混色をポジティブに捉えていることだけではありません。仲良しのお友達と嬉しさのあまり抱き合って緑色🟩になるところがこの絵本のハイライト。リトル・ブルー🟦とリトル・イエロー🟨は緑色🟩になったことで大好きなお父さんお母さんに「うちの子じゃないわ!」と言われてしまい、悲しみに打ちひしがれてしまいます。
悲しさから泣き枯らしたことで本来の青色🟦と黄色🟨に戻ります。涙は英語でtearと言います。紙を破くこともtearと言います。涙のtearとちぎり絵のtearがリンクしています。英語学習も兼ねて、ぜひ英語で読んでほしい一冊です。

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