もうすぐ、クリスマスですね🎅🏼
保育施設では、行事やイベントがある時は施設内のデコレーションを変えたり、活動を関連のあるものを増やしていき、少しずつ子どもたちの気持ちが盛り上がるようにしていきます。
クリスマス関連の絵本を紹介したいなと思って、あれこれ悩み、第一弾はやっぱりこれだなと思った本がこちらです!
『Father Christmas』作・絵:レイモンド・ブリッグズ
『さむがりやのサンタ』訳:すがはら ひろくに
コマ割りの絵で、サンタさんの会話(独り言?愚痴?)がポツリポツリと書かれています。クリスマスのサンタさん一日を追ったお話です。
この本は1973年に出版されました。保育教諭時代に行った絵本の研修で、講師の先生がおっしゃっていました。昔から人気があり何度も増版されている絵本は良書であると。
私も小さい頃はこの絵本を持っていました。今でも、初めて読んだ時の印象を覚えています。「サンタさんってこんな人なの?😨」それまでは、毎年子ども達にプレゼントを持ってきてくれるサンタさんは優しいおじいさんに違いない、いつもニコニコしているに違いない、子ども一人ひとりの頭を優しく撫でてから次の家に出発しているに違いにない、と信じて疑いませんでした。
この絵本のサンタさんは、なんか不機嫌だし、ぶつくさ文句ばっかり言っているし、とにかく面倒臭そうだし、なんかそこら辺にいるおっさんじゃん!と軽くショックを受けました。思い描いていたサンタ像がガタガタと崩れ落ちていきました。
それなのに、何度も何度も本を読み返しては、サンタさんの1日を追うのが楽しくて、ずっと本を眺めていました。その時、言語化出来なかった気持ちを思い返してみると、きっとサンタさんの人間味溢れる姿に親近感を覚えながら、理想と現実の間を行ったり来たりして自分の思いを確認していたのかなと思います。←今でも言語化するのも難しいですね笑
サンタさんとしての1日を終えて、お風呂に入ってあったまって、ご馳走を食べて、サンタさんも同じように親戚や友達からプレゼントを開けて…。長い長い1日の終わりに、ゆっくり労って床につく。そこまでの丁寧な1日の流れがとても魅力的なんだと思います。
子どもには、綺麗で美しくて優しい世界を見せてあげたいと思うものです。だけどこの絵本ののようにピリッと毒のようなものって人には絶対必要だと思うのです。
サンタさんだって聖人ではありません。めんどくさがって、寒い寒いって文句を言って、雪が嫌いで。だけど、ちゃんとサンタさんの仕事をこなして、お酒で上機嫌になって、仕事が終わるとだんだん表情もやわらかくなって、飼っているペットにもちゃんとクリスマスプレゼントを用意している優しさがあって。そんな太っちょサンタさんがだんだんと愛らしく感じてくるんですね✨
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