この写真、窓は2つに見えますか?それとも1つ?
だまし絵の話です。今日紹介したい絵本はこちら!
『Duck! Rabbit!』作:Amy Krouse Rosenthal 絵:Tom Lichtenheld
『アヒルだってば!ウサギでしょ!』訳:今江 祥智
『アヒルかも!ウサギかも!』訳:せきね みつひろ
アヒルかな?アヒルじゃないよ、うさぎだよ!でもでも・・・
絵本のあらすじ
「ねぇ、見て!アヒル!」「アヒルじゃないよ、ウサギだよ!」
「何言ってるの?完璧にアヒルじゃないか!」「あれはウサギに間違いない!」
「だってあれはくちばしでしょう?」「耳じゃないか!」
「ほら、パンを食べようとしているよ。」「ウサギだよ。にんじんを食べようとしているじゃないか。」
「見て、暑いから水を飲んでいるよ。」「いやいや、あのウサギは暑いから耳を水につけて冷やしているんだよ。」
こんな感じで2人は一歩も譲りません。
でも、大きな声を出したらその生き物はどこかへ行ってしまいました。
「何する?」「えー、何したい?」
「ねえ、見て!アリクイがいる!」「あれはアリクイじゃないよ。ブラキオサウルスだよ!」
だまし絵でユーモアたっぷりに。だけど本質的な話をしてる?
だまし絵って面白いですよね。昔、図工や美術の教科書に載っているだまし絵が面白くてワクワクしながら見た記憶があります。
この絵本はニューヨークタイムズのベストセラー本になっています。
日本語版は訳が2つあるようです。
絵はとてもシンプルです。この余白があるからアヒル🪿にも、ウサギ🐰にも見えるわけですが、この2人の掛け合いが面白い!
私はアヒル🪿と言われればアヒル🪿に見えてくるし、ウサギ🐰と言われればウサギ🐰に見えてきます。
面白いのは、対象物が動いたり、草むらの中だったり、水の中だったり、双眼鏡で見たりと場面が変わります。途中、絵本を縦にしてみるのページがあるのも面白いです。
両者の主張を譲らず、議論が繰り広げられていたのですが、対象物がどこかに行ってしまいます。すると、「もしかしたら、ウサギ🐰だったかも」「いや、アヒル🪿だったかもと思い直しているよ」と2人は譲歩し始めます。
対象物がなくなってしまって、やることがなくなった2人。最後はまた違う対象物を見つけて「アリクイだ!」「恐竜🦕だ!」と振り出しに戻るオチです。笑
こども達には「いろんな見え方があるよね!」と言うメッセージをユーモアたっぷり伝えられます。みんなでどっちに見えるか、ワイワイ話し合いをするのも面白いですね。子どもは頭が柔らかいので、アヒルにも、ウサギにも見えない!何か他のものに見える!と言う意見も出てくるかもしれません。
でも、大人が読むとちょっとチクりと痛みます。
大人になると、経験値が邪魔をしてしまって、先入観で物事を見るくせがついてしまっている時があります。そしてこの2人のようになかなか他人の意見を受け入れられなかったり。そして譲歩された途端、自分も譲歩したり。何をそんなに意地を張っていたのか!と言う経験が私にはたくさんあります。反省💧
コメント