あー、なんかゾクゾクする。なんか喉がイガイガする。なんか鼻水も止まらないぞ…。
熱、計ってみよう。。。あ、高い。風邪引いた〜。とりあえずあったかくして寝よう💤
今日紹介したい本は、そんな風邪を引いた時に読みたいあったかい話です。
『A Sick Day for Amos McGee』作:フィリップ・S・ステッド
絵:エリン・A・ステッド
『エイモスさんが かぜを ひくと』 訳:青山 南
動物飼育員のエイモスさんはいつもキッカリの時間に動物園に行きます。動物園ではやることが沢山あるけど、大切な友達の動物達のためにゆっくりとそれぞれの時間を過ごします。ある日、風邪を引いたエイモスさんは動物園に来なくて、心配した動物達は…。
この本は2010年に発行されました。絵や文の雰囲気として50年ぐらいは経っているのかなと思ったら、意外でした。比較的新しい本です。
エイモスさんが住んでいる、小さくて綺麗で整っている家が素敵です。家の中の家具も。パリッと綺麗にアイロン掛けされた制服も。ついでにエイモスさん(見た目は60代ぐらいのおじさん)のウサギのスリッパも。英語で表現するとneatと言う言葉がぴったりです。
neat
英辞郎on the web から引用
〔室内・場所などが〕整頓された
〔形などが〕整った
〔服装などが〕こざっぱりした、こぎれいな、きちんとした良い、すてきな、素晴らしい、格好いい◆1930年代から80年代くらいに特に人気のあった表現。
◆【同】cool ; excellent
日頃のエイモスさんの優しさがじんわり、じんわり伝わってきます。そして、友達の動物達のエイモスさんへの優しさのお返しがじんわり、じんわり伝わってくるお話です。
エイモスさんの優しさは一人ひとり(一頭いっとう、一羽いちわ?)に寄り添った優しさなんです。そっと、静かに、動物達の心にぴったりと。
風邪を引いて、苦しい時のピークを超えて、快方に向かっている時、この本を読むとじんわりじんわり心があったまります。
この本の絵がまた素敵なんです。なんとこの本がデビュー作。木版と鉛筆で描いているそうです。色使いもなんかオシャレなんです。モノクロっぽいのに、カラーなんです。丁寧に丁寧に描かれたのが伝わってきます。動物の表情もすごく優しいんです。
この本は夫婦の合作です。文は夫のフィリップさん、絵は妻のエリンさん。エリンさんがイラストレーション関係で上手くいっていない時期に、エリンさんが絵を描けるようにとフィリップさんがこの本を書いたそうです。だからこの本は静かで大きな優しさで溢れているのですね。
そしてこの本はコルデコット賞を受賞しています。アメリカで最も権威のある児童書の賞です。
風邪で心細くなった心に、染み渡る本です。じんわりじんわり。早く、あなたの風邪が良くなりますように・・・🌙
コメント